前章では、特許制度の概要をお伝えしました。
この章では、発明をひらめいてから特許出願する前にしたほうがいい事お伝えできればと思います。
発明を整理しよう
発明は、頭の中で“ぱっ”と出てくるものです。
一方、特許出願をするためには、発明を文書化・図面化して審査してもらう必要があります。
ひらめいた発明、なにが特徴なのか一旦整理しましょう。
この発明は、一体なんだろう?
整理してみると、この発明が以下のどれかに分類されるのではないでしょうか。
・物の発明
飛行機が発明であれば、その構造など
・方法の発明
飛行機のエンジンの制御など
・製造方法の発明
飛行機の翼の製造方法など
この分類分けは、特許出願する際に生きてきます。
物の発明であれば、図面とともに文書化してみると、特許出願のための明細書作成がはかどると思います。
方法の発明、製造方法の発明であれば、その内容によりますが、制御のフローチャートや化学成分の化学式などを準備してみるのも工夫かと思います。
この発明は、新しい?
整理したのですぐに特許出願・・・するにはまだ早いです。
ひらめいた発明が、世の中から見て“新しいのか”を確認します。
なぜならば、特許出願後の審査で“新しくない”、と判断されると特許が取得できないからです。特許出願はタダじゃないありません。慎重に発明を見定める必要があります。
特許調査をしてみよう
特許調査が必要だと理解しただけたと思いますが、どのように進めようか分からないものです。
Google検索などの一般的な検索サイトでは、特許調査は不十分です。
特許調査をする際は、まず、“J-PlatPat”と検索します。
検索結果に表示されている一覧の“文献番号”をクリックすると、その文献の内容を確認することができます。
・・・といっても、実際にここまでのことをやられたことがある人はわかりますが、この文献の内容、とても長文で分かりづらい記載になっていることがあります。
この段階で、拒絶反応が出てしまう人が続出するものです。
特許調査入門第3版 サーチャーが教えるJ-PlatPatガイド [ 酒井美里 ] 価格:3,300円 |
「特許調査」の基礎と応用 特許電子図書館で調査する [ 高柳隆 ] 価格:2,310円 |
特許文献の構成
冒頭で説明した通り、発明を文章で示しますが、特許文献になると以下の構成になります。
・発明の名称
・技術分野
・先行技術
・発明の概要
発明が解決しようとする課題
発明の解決手段
・発明の実施例
(必要に応じて)図面
本章の締め
発明が出たらすぐ特許出願したい気持ちはあると思います。
ですが一旦落ち着いて、せっかく特許出願するなら、審査をパスして特許取得したいものです。世の中に公開されている特許文献を見て、自分の発明を見定めたほうがよいです。
特許に触れ始めた人が最初に感じる拒絶(拒否)反応としては、独特な記載で構成される特許文献ではないでしょうか。
これを上手に読めると、公開されている発明がどういったもので、自分のひらめいた発明が新しいのか判断できるようになります。また、今後のひらめきにも繋がると思います。
次回は、特許公報の読み方をお伝えしていきます。
以上
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